やってはいけない実家の相続!NG事例と今からできる対策を徹底解説
投稿日:2025年07月23日
「親が亡くなったあと、実家をどうすればいいのか分からない…」
「兄弟で相続の話になると、どうしても気まずくなる」
そんな悩みを抱える人は少なくありません。
実家の相続は、多くの人にとって初めての経験。にもかかわらず、何となくの判断や感情的な決断で進めてしまうと、後々大きなトラブルに発展するケースも多いです。
今回のコラムでは、そんな実家の相続で陥りがちなNG行動と、その対策方法をわかりやすく解説します。
まだ相続が発生していない方も、すでに実家を受け継いだ方も、今からできる備えの参考にしてみてはいかがでしょうか。
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実家の相続で「やってはいけない」4つのNG行動
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実家を相続するとき、「何となく」で判断してしまうと、思わぬトラブルやコストに直面することがあります。
この章では、多くの人がやってしまいがちな“NG行動”4つを、わかりやすくお伝えしていきます。
①兄弟などと共有名義にする
一見「平等」で「円満」な方法に見えますが、これは将来の火種になることが多い落とし穴です。
たとえば、兄弟で共有名義にした場合、将来売却したくても全員の同意が必要になります。
ひとりでも反対すれば売れません。
また、名義人の1人が亡くなると、その配偶者や子どもたちに権利が移り、話がさらに複雑に…。
将来的に一部の相続人が認知症になったり、連絡が取れなくなったりすると、手続き自体が不可能になることもあります。
相続時には「誰が所有するか」を明確に一本化することが、円満な関係を保つコツです。
②相続登記をせずに放置する
「急がなくても大丈夫」と思っていませんか?
相続登記をしないと、法的にはまだ親の名義のまま。売却も活用もできません。
2024年4月からは相続登記の義務化がスタートし、正当な理由なく3年以上放置すれば10万円以下の過料が科される可能性もあります。
面倒でも、相続が発生したら早めの登記が肝心です。
③空き家のまま放置する
実家に誰も住まず、管理もされていない状態は、時間とともに資産どころか負債になってしまいます。
建物は傷み、周囲に迷惑をかける可能性も。
倒壊の危険があれば、自治体から特定空家に指定され、強制的に修繕や解体を命じられることもあります。
さらに、住宅用地特例の対象外になれば固定資産税が6倍になるケースも。
定期的な管理、売却、賃貸、リノベーションなど、具体的な活用計画を立てましょう。
④無計画に建物を解体する
「空き家だし、とりあえず更地にしておこう」と軽い気持ちで解体すると、思わぬ落とし穴が待っています。
建物を壊して更地にすると、固定資産税の優遇措置がなくなり、税金が大幅に増えることがあります。
また、将来の売却時にも「建物付き土地」として売るほうが買い手がつきやすいことも。
解体は、売却・活用の計画とセットで検討すべき判断です。
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相続した実家の3つの活用法と注意点
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親から相続した実家について、「どうするのがベストなのか」と悩まれる方は少なくありません。
この章では、代表的な3つの活用方法について、それぞれの特徴やメリット・デメリットを簡潔にご紹介します。
自分で住む
ご自身やご家族がそのまま住む方法です。
生活の拠点を移すことで、思い出の詰まった家を引き継ぐことができます。
ただし、長年空き家だった場合は修繕が必要なケースも多く、費用や安全面の確認が大切です。
また、固定資産税や維持管理の手間も考慮する必要があります。
賃貸として貸し出す
住宅として他人に貸し出すことで、家賃収入を得ることができ、空き家対策にもなります。
資産を活かしながら将来的な売却にも備えられる方法です。
ただし、空室リスクや管理の手間、修繕費用などがかかる点は念頭に置いておきましょう。
管理会社に委託することで負担を軽減することも可能です。
売却する
実家を手放すことで、現金化する方法です。
維持管理の手間やコストが不要になり、相続人同士での財産分配もスムーズになるケースがあります。
ただし、売却には時間がかかることもあり、地域や物件の状態によっては価格が希望に届かない可能性もあります。
事前に不動産会社へ相談し、適正な査定を受けることが大切です。
相続した実家には、感情的な想いや家族の意向も関わってきます。
どの選択がベストかはご家庭ごとの状況によって異なります。
ぜひ、専門家の意見も参考にしながら、将来を見据えたご判断をされることをおすすめします。
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将来の相続に向けた準備と対策
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相続は誰にでも起こりうる身近な問題です。
しかし、準備をしないまま迎えてしまうと、遺産の分け方を巡って「争族」と呼ばれるトラブルに発展することも少なくありません。
大切なご家族がもめることのないよう、事前にできることを少しずつ考えていきましょう。
ここでは、今からできる4つの対策についてわかりやすくご紹介します。
生前贈与を検討する
生前贈与とは、生きているうちに財産の一部を子や孫に譲ることです。相続税の節税効果が期待でき、早期に財産を移すことが可能です。
ただし、贈与税がかかる場合もあるため、計画的に行うことが重要です。
✔年間110万円までの贈与なら非課税(暦年贈与)
✔住宅取得資金や教育資金の特例も活用可能
制度の改正が相次いでいるため、最新情報は税理士などに確認を!
遺言書を残しておく
遺言書があることで、「誰にどの財産を相続させたいか」が明確になります。遺産分割でもめることを避けたい場合にはとても有効です。
ただし、書き方を誤ると無効になる場合もあるので注意が必要です。
✔公正証書遺言なら法的効力が高く、安心
✔財産の分け方に希望がある場合は必ず作成する
相続人が複数いる場合や、特定の人に多く遺したい場合は特に重要です!
相続放棄の制度を知っておく
プラスの財産だけでなく、借金や滞納税金などのマイナスの財産も相続対象です。
不要な負債を引き継ぎたくない場合は「相続放棄」という選択肢があります。相続放棄には書類の準備や調査が必要なので、早めの行動が大切です。
✔家庭裁判所へ申請することで、最初から相続人でなかったことに
✔相続開始(=被相続人の死亡)を知ってから3か月以内に手続きが必要
放棄しても他の相続人に影響が及ぶ可能性があるため、家族間の話し合いも重要です。
相続後の活用方針を家族で相談する
不動産や事業など、相続後にどう活用するかをあらかじめ家族で共有しておくことも大切な準備のひとつです。
家族間で意見を揃えておくことで、スムーズな手続きが可能になります。
✔実家を「売る・住む・貸す」などの方針を話し合っておく
✔相続税の納税資金として売却する必要があるケースも
「まだ早い」と思わず、今のうちに少しずつ話し合いを始めるのがベスト!
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まとめ
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今回のコラムでは、実家の相続において注意すべきNG行動と、それぞれに対する具体的な対策についてご紹介しました。
相続は、まだ先の話と思っていても、突然やってくることがほとんどです。
特に不動産が関わる相続は、判断を誤ると、将来のトラブルや余計な費用につながることもあります。
「どう進めるのが正解なのか分からない」
「家族で話し合うきっかけがほしい」
そんな方は、どうぞお気軽に当社へご相談ください。
相続に関するお悩みや実家の活用方法について、お近くの店舗やオンラインにて最適な提案をさせていただきます。