投稿日:2024年04月20日
日本でお住まいづくりを検討するにあたり自然災害は避けては通れない課題です。
特に東海地方は東海地震や南海トラフ地震がいつ発生してもおかしくない地域なので、多くの方が地震に強い家を必須条件にお住まいを探されてます。
さて、みなさんは地震によって発生する液状化という言葉を聞いたことがありますでしょうか。
今回のコラムでは、地震対策とセットで考えていきたい液状化について、その発生原因から対策までご紹介していきます。
地震により地面が揺らされ、液体のような状態になってしまう現象を液状化と言います。
通常、砂などの粒同士がくっつき、その隙間を水が満たすことで地盤を支えていますが、地震が発生すると粒同士の結合が無くなり、砂と水に分離してしまいます。砂が沈下すると、水よりも比重が重い住宅は沈下や傾きが発生してしまいます。
一般的に、埋立地や干拓地、昔の河道を埋めた土地などが液状化が起きやすいと言われていますが、内陸部でも旧河川や池の跡地、水田を宅地とした場所でも発生する可能性が高いので注意が必要です。
【名古屋市】
名古屋市は「西部(沖積平野)」、「中央部(台地)」、「東部(丘陵地)」の3つのエリアに分けられます。
特に、西部はかつて海面の上昇・下降により陸地になった地域であり、東部はため池などを埋め立て宅地化を進めた地域であるため液状化のリスクが高くなっています。
【濃尾平野(一宮市、稲沢市、清須市など愛知県の尾張西部)】
愛知県、三重県、岐阜県にかけて広がる濃尾平野一帯は、内陸ですが地下の水位が高く、水分を多く含んだ地盤になるため液状化のリスクが高いと言われています。
【内海の沿岸部(豊橋市から知多郡の沿岸にかけて)】
この地域一帯は埋立地を含めた低地です。低地にいくほど地下水位が高くなりやすい傾向なので水分を多く含んだ地盤になり、液状化リスクが上昇します。
さて、液状化が起こるとどのような被害が発生するのでしょうか。ここでは発生しやすい被害3選をご紹介いたします。
液状化により地面が沈下・陥没すれば建物は傾いてしまいます。その結果、倒壊のリスクが高まるだけでなく扉や窓の開け閉めが出来なくなったり、隙間やひび割れが発生し気密性が低下する危険性も出てきます。また、傾いた家で生活することで体調に支障をきたすこともあります。
液状化により地下に埋設された上下水道管やガス管などが破損する危険性があります。さらに、切断部から土砂が入れば液状化していない地域にまで影響が及んでしまいます。飲料水の確保はもちろん、トイレやお風呂といった生活用水が使えなくなるため、日常生活に多大なる影響を与えます。
地震が発生すると地下水の圧力が高まり、水や砂が地面から勢いよく吹き出すことがあります。地面が水や砂だらけになるだけでなく、車や自転車が埋没してしまったり、田畑が水没してしまったりもします。さらに、乾いた後は土砂が舞うことで粉塵被害も発生します。
どれだけ意識していても、液状化は自然災害なのでいつ発生するか分かりません。もし液状化が起こってしまったらどのような対応をすればいいのかをご紹介いたします。
まずは火災・地震保険に加入している保険会社に連絡しましょう。液状化は地震保険の補償内であり、保険金額は火災保険の保険金額の30%~50%の範囲になります(建物は5000万円、家財は1000万円が限度になります。)
保険会社に連絡をしたら、被災した建物を修復していきます。建物が傾くとそのまま住み続けることができません。戸の開け閉めの不具合や隙間風の発生などが生じ、日常生活に支障をきたします。また、建物や基礎も沈下しているためジャッキアップも必要になります。
実は、液状化は事前に対策をすることで防ぐことができます。どのような対策があるのかを見ていきましょう。
家を建てる前に各市区町村が作成しているハザードマップを確認して、液状化の発生率が低いエリアを優先的に検討していきましょう。現在では住宅を購入する前にハザードマップの説明が義務付けられていますので、購入しようとしている物件が液状化が発生しやすいエリアかどうかを契約する前に確認しましょう。
たとえ地盤が軟弱でも、地盤改良工事をすれば家の傾きを防ぐことができます。基礎から固い地盤までセメントの柱や鋼管杭を打つことで建物を長期にわたって安定的に水平に保つことができます。不動沈下を防ぐことが主な目的の地盤改良工事ですが、液状化が発生した際にも沈下や傾きから家を守ってくれます。
地盤に薬液を注入し、地震による振動を与えても土と水が分離しないようにする薬液注入工法や、あらかじめ地盤の水を抜いておく地下水位低下法、基礎の周囲地中に壁を作り揺れを抑制する「格子状地盤改良工法」などがあります。また、着工前に重機で地盤を転圧し、土の密度と強度を高くするのもおすすめです。
地震により地面が揺れた場合、建物が重いほど地盤内の水が大量に絞り出され大規模に液状化します。一方、建物が軽ければ流出する水が少なくなるため、液状化の被害も軽く済みます。
「薬液注入工法」は既存の住宅に対しても適応できます。建物の床に薬液を注入するための開口部を設ける必要がありますが、セメントスラリー(セメントと水の混合液)や薬液(水ガラス系の液体)を地盤に注入することで地盤強度が増し、液状化の被害を軽減することができます。
地震によって発生する液状化についてご紹介しましたがいかがでしたでしょうか。いくら建物が頑丈でも傾いたり沈下してしまっては、住み続けることはできなくなってしまいます。
これからお住まいづくりをされる方だけでなく、既に建てられた方も液状化への対策を検討してみましょう。
ハウスボカンなら液状化を含むハザードについても詳しくご説明させていただいております。気になる方は是非お問合せください。
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