
投稿日:2025年11月08日
家を建てる前に必ず行う必要があるのが「地盤調査」です。
どんなに良い設計や高性能な建物を建てても、地盤が弱ければ傾きや不同沈下などのリスクが発生してしまいます。
この記事では、地盤調査の基本から費用相場、調査方法の違い、さらに地盤改良が必要になった場合の対処法まで、家づくりに欠かせない情報を分かりやすく解説します。
これから土地購入を検討している方はもちろん、すでに候補地がある方も、ぜひチェックしておきましょう。
家づくりを考えるうえで、意外と見落とされがちなのが「地盤」です。
地盤とは、建物を支える土地の基礎部分のこと。どんなに耐震性の高い住宅を建てても、地盤が弱ければ家が傾いたり、ひび割れが生じたりする可能性があります。
そのため、家を建てる前には「この土地の地盤がどの程度の強さを持っているのか」を調べる地盤調査が欠かせません。
調査の結果、地盤が弱いと判断された場合は「地盤改良工事」を行い、安全に建物を支えられるように補強します。
つまり地盤調査は、家づくりの安全性を左右する最初のステップなのです。
地盤調査は、家づくりの初期段階で行う重要な工程です。
土地を購入してすぐ建築に入れるわけではなく、「この土地に建物を安全に建てられるか」を確認するために、専門業者による調査を行います。
ここでは、調査の一連の流れと、実際にどのくらいの期間がかかるのかを見ていきましょう。
① 調査の事前準備と手続き
地盤調査を行う前に、まずは建物の配置や間取り図をもとに調査位置を決定します。
建物の四隅と中央の計5カ所ほどを調べるのが一般的で、設計担当者・地盤調査会社・施工会社が打ち合わせを行います。
また、調査に先立ち以下のような準備が必要です。
・調査日の調整(建築会社または地盤調査会社が手配)
・敷地内の整地(雑草やガレキの除去)
・隣地への配慮や立ち入り許可
この段階で、建築主が特別な手続きを行うことはほとんどありません。
基本的にはハウスメーカーや工務店が代理で進めてくれます。
② 現地での調査実施
準備が整ったら、いよいよ現地での地盤調査です。
一般的な戸建住宅では「スクリューウエイト貫入試験(SWS試験)」が多く採用され、数時間程度で完了します。
調査員が専用の機械を使い、地面にロッド(棒)を垂直に押し込みながら、地盤の硬さ・抵抗力・深さを測定します。
表面から3〜10mほどの深さまで調べることで、建物を支える層(支持層)がどの位置にあるかを把握します。
③ 報告書の受け取りと確認
調査が終わると、約3〜5日ほどで「地盤調査報告書」が発行されます。
この報告書には以下の内容がまとめられています。
・各ポイントごとの地盤データ(深度・貫入量・土質など)
・地盤の支持力と沈下の可能性
・改良が必要かどうかの判定結果
報告書は、建築会社が受け取り内容を確認したうえで、必要に応じて建築主にも共有します。
この時点で「地盤が良好ならそのまま基礎工事へ」「軟弱地盤なら地盤改良の検討へ」という判断が行われます。
④ 結果の整理と次の判断
地盤改良が必要と判断された場合は、改良方法・範囲・費用について検討を進めます。
代表的な改良工法には「表層改良工法」「柱状改良工法」「鋼管杭工法」などがあります(詳細は後述)。
一方で、改良が不要な場合は、そのまま基礎設計に反映され、着工準備に進みます。
この一連の流れをスムーズに行うためには、調査会社・設計担当・施工担当が連携して進めることが大切です。
| 項目 | 期間の目安 | 備考 |
|---|---|---|
| 調査準備・日程調整 | 1~3日 | 設計図面確定後に実施 |
| 現地調査 | 半日~1日 | 天候により延長の可能性あり |
| 報告書の作成 | 3~5日 | 分析・結果報告まで含む |
| 合計期間 | 約1週間前後 | 改良が必要な場合は+数日〜1週間 |
地盤調査にはいくつかの方法があり、土地の状況や建物の規模によって最適な調査方法が異なります。
ここでは、戸建住宅でよく使われる代表的な4つの調査方法について、特徴・費用・期間を比較しながら解説します。
| 調査方法 | 特徴 | 費用の目安 | 期間の目安 |
|---|---|---|---|
| SWS試験(スクリューウエイト貫入試験) | 戸建住宅で最も一般的。安価・短期間で実施可能。 | 5~10万円 | 数時間程度 |
| SDS試験(スクリュードライバーサウンディング試験) | デジタル計測で精度が高く、軟弱地盤にも対応。 | 8〜10万円 | 数時間程度 |
| 表面波探査法 | 振動解析で地中を非破壊調査。地形変化や広範囲調査に強い。 | 8万円前後 | 数時間程度 |
| ボーリング調査 | 実際にサンプル採取。最も高精度な地盤調査。 | 20〜30万円 | 2〜3日 |
地盤調査や地盤改良は、家づくりの安全性を確保するうえで欠かせない工程です。
とはいえ、土地の状態や改良内容によっては数十万円〜100万円以上の費用が発生することもあります。
ここでは、調査・改良費をできるだけ抑えるためのポイントを紹介します。
①地盤の固いエリアの土地を選ぶ
最も根本的なコスト削減方法は、地盤が安定した土地を選ぶことです。
同じエリア内でも、川沿いや埋立地・造成地などは軟弱地盤になりやすく、改良費用が高額になる傾向があります。
一方、高台・旧地形での自然地盤(盛土されていない土地)は、地盤が締まっているケースが多く、地盤改良が不要になる可能性もあります。
土地選びの段階で、以下のような情報をチェックしておくと安心です。
・近隣で地盤改良を行った実績が多いか
・地盤サポートマップやハザードマップで地層・液状化のリスクを確認
・不動産会社やハウスメーカーに、地盤データの有無を確認
ハウスボカンでは、土地探しの時点から地盤の強さや造成履歴も確認し、購入後の追加費用リスクをできる限り減らしています。
②ハウスメーカーや工務店に相談する
地盤調査や改良工事は、ハウスメーカー・工務店が提携する専門会社を通じて行うのが一般的です。
この場合、建築計画(建物の重さ・配置・基礎形状)をふまえて調査が行われるため、過剰な改良を避けやすくなります。
また、調査の結果をもとに建物の基礎設計を調整すれば、改良費を抑えられるケースもあります。
たとえば、建物の配置を少しずらすだけで支持層(固い地盤)に乗せられることもあるのです。
地盤の状態に合わせた設計の工夫を行える会社に相談することが、費用を抑える第一歩です。
③第三者に意見を聞く
地盤調査の報告書や改良工法の提案を見ても、専門知識がなければ判断が難しいもの。
そんなときは、別の地盤調査会社や専門家にセカンドオピニオンを求めるのもおすすめです。
第三者の目線で「この改良工法は本当に必要か?」「他の方法ならコストを下げられないか?」を確認することで、
不必要な工法や過剰な費用を回避できる可能性があります。
特に、以下のような場合は第三者確認を検討してみましょう。
・改良費が想定より高い(50万円〜100万円を超える)
・改良内容の説明が不十分で、根拠が分からない
・工法や費用の見積もりに複数案が提示されていない
地盤の安全性を保ちつつ、適正な費用で施工できるかを見極めることが大切です。
④追加費用が発生するケースに注意する
地盤調査や改良工事では、以下のような理由で見積もりより費用が上がるケースもあります。
・調査時点で想定していなかった軟弱層の深さが見つかった
・改良工事中に地下水や埋設物(石・コンクリート片など)が発見された
・調査報告書の内容が変更され、工法や杭の長さが増加した
こうした追加費用は、土地購入前には見えにくい部分です。
そのため、契約前に「改良が必要になった場合の費用目安」「保証や再調査の対応範囲」などを、あらかじめ確認しておくと安心です。

| 工法名 | 特徴 | 改良深さの目安 | 費用の目安 | 期間の目安 |
|---|---|---|---|---|
| 表層改良工法 | 比較的浅い軟弱層を固化材で強化 | 2m〜3m | 30〜60万円 | 2〜3日 |
| 柱状改良工法 | セメントミルクで柱を形成 | 2m〜8m | 60〜100万円 | 3〜5日 |
| 鋼管杭工法 | 鋼製杭を支持層まで貫入 | 10〜20m | 80〜150万円 | 2〜4日 |
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