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市街化調整区域で家を建てられる条件とは?購入前に必ず確認すべき5つの注意点

投稿日:2021年01月25日

最終更新日:2025年12月04日

市街化調整区域で家を建てられる条件とは?購入前に必ず確認すべき5つの注意点

土地を探している時、「市街化調整区域」という単語を目にしたことはありませんか?
市街化調整区域でも条件を満たせば住宅を建てられますが、制限が多く、誰でも自由に建てられるわけではありません。
せっかく理想とする土地が見つかっても、「土地は購入できても物件を建てられない」「建築するには許可が必要だった」なんてことも…

今回は、調整区域の特徴や調整区域に建物が建てられる条件について解説いたします。

  • 市街化調整区域って何?

    市街化調整区域って何?

    土地には「市街化区域」「市街化調整区域」があり、都市計画法に基づき自治体ごとに指定されています。まずは、市街化区域と市街化調整区域(以下調整区域)の違いを知っておきましょう。

    【市街化区域】
    市街化区域は、街を活性化するための地域です。
    人々が住みやすくなるように、住宅街や商業施設を計画的に建てていこうというエリアで、インフラの整備も積極的に行われます。

    【市街化調整区域】
    市街化調整区域とは、市街化を抑制する地域です。
    無秩序な市街化の拡大を防ぐため、人が住むための住宅や商業施設などを建築することは原則認められていないエリアです。

    ※地方自治体に申請することで建てられる場合もあります。


    項目市街化区域市街化調整区域
    概要街を活性化し、住宅を増やすエリア 市街化を抑制するエリア
    家の建築原則、自由に可能原則不可(要許可)
    土地価格高め相場より安め
    固定資産税高め安め
    インフラ整っている未整備の場合も
    住宅ローン通りやすい通りにくい銀行も


    ■市街化調整区域の特徴


    土地価格が安いことが多い

    建築や建て替えに制限があるため、一般的に土地価格が安く設定されています。評価額が低いため、固定資産税が抑えられるメリットもあります。



    静かな環境で暮らせる

    街の開発を抑制するエリアのため、交通量なども比較的少なく静かな環境で過ごすことができます。将来的にも、高いビルなどが立ち並ぶことがないため騒音などで悩むことは少ないでしょう。



    生活利便施設が近くにない

    一般的に調整区域は、農業や林業を行う地帯とされています。その為、駅・学校・病院・スーパーなど生活に必要な施設までの距離が遠くなってしまう可能性があります。



    インフラが整っていないケースも

    調整区域の場合は、下水道・ガス・電気・道路の舗装がされていない可能性があります。インフラが整っていないと、整備費用が必要となってくる場合もあるため、事前に整備費用がどのくらいかかるのか確認する必要があります。

  • 市街化調整区域で家を建てるには

    市街化調整区域で家を建てるには

    市街化調整区域は原則として建築不可のエリアですが、都市計画法第34条などの基準をクリアし、自治体の許可を得られれば家を建てることが可能です。 許可の条件は自治体(愛知県など)によって異なりますが、大きく分けて以下の3つのパターンがあります。

    1. 自治体の条例で指定された区域
    一般の方が土地探しをする際、最も狙い目なのがこのケースです。 市街化調整区域内であっても、自治体が「このエリアなら誰が住んでも良い」と条例で指定している地域(都市計画法第34条11号・12号区域など)があります。まずはこの区域に該当するかを確認しましょう。

    2. 【建替え】以前から建物が建っていた土地
    過去に家が建っていた履歴がある土地(既存宅地)であれば、建て替えが認められるケースがあります。ただし、無条件ではありません。以下のポイントを確認する必要があります。

    ①旧既存宅地制度の対象か

    制度は廃止されていますが、かつて旧既存宅地として扱われていた土地は、建築実績の判断材料になる場合があります。ただし、自治体ごとに取り扱いが異なるため、事前確認が必須です。


    ② 建物の登記・課税の実績があるか

    過去に建物が合法的に建っていた証拠として、「建物登記(法務局)」や「固定資産税課税台帳(市町村)」などを確認します。登記や課税の記録があると、建て替えの許可が得られる可能性が高まります。


    ③ 都市計画法43条建築許可が下りるか

    建て替えでも新築でも、43条許可が必要になるケースが多く、元の建物が合法だったかや周辺環境との調和、道路条件などが審査されます。



    3. 農家住宅・分家住宅
    市街化調整区域で最も多い事例ですが、特定の人のみ許可されます。一般の方が土地だけ購入しても、この条件は適用されませんので注意してください。

    【例】 昔からAさん一家が調整区域に住んでおり、同居していた次男が分家として敷地内に家を建てる場合

    【許可の条件例】
    調整区域に指定される前から、本家がその地域で生活している
    申請者が本家の世帯構成員(3親等以内の血族など)である
    他に建築可能な土地(持ち家)を持っていない
    結婚または婚約している など


    調整区域で家を建てるには細かな条件があります。
    ご自身が当てはまるのか分からない場合は、一度お近くの不動産会社または地方自治体に相談してみましょう。


  • 市街化調整区域を購入する際の5つの注意点

    市街化調整区域を購入する際の5つの注意点

    ■土地の地目を確認

    土地の地目には、宅地・田・畑・山林・雑種地など、様々な種類があり、どの地目に該当するのか確認が必要です。


    ・宅地の場合

    市街化区域・調整区域に指定されるよりも前から宅地であれば、建築許可の対象となり、住宅を建てられる可能性があります。


    ・農地の場合

    農地を農地以外の用途で使うには制限があり、基本的に農業従事者でなければ購入が難しい点に注意が必要です。
    また、農地を宅地として利用するには農地転用の申請が必要ですが、申請しても必ず許可されるわけではありません。転用が認められなければ宅地として利用できず、住宅の建築もできないため、購入前に必ず転用の可否を確認しましょう。


    ■線引き前の建物か、線引き後の建物かの確認

    「線引き」とは、市街化区域と調整区域に指定された日のことを指します。建物が現存している場合、その建物が指定日よりも前に建てられたものなのか、指定日以降に建てられたものなのか確認しましょう。

    物件資料に建築年月日の記載がない場合は、固定資産税課税台帳などで調べる必要があります。建物が建てられた時期によって建築許可の要件が変わるため、建替えや増築を検討する際に重要な情報になります。


    ■区域指定の確認

    調整区域内でも、条例で開発・建築可能と指定された区域があります。区域指定されていれば利用しやすく、将来売却時にも有利になるケースがあります。また、都市計画事業や土地区画整理事業の区域であれば、建築可能な場合もありますが、許可が必要です。


    ■住宅ローンが通りにくいケースも

    「担保価値が低い」「再建築が難しい」などの理由から、銀行によっては融資対象外とされることがあります。ただし条件次第で融資可能な銀行もあるため、調整区域の土地購入を検討中の方は、住宅ローンにも強い不動産アドバイザーに相談すると良いでしょう。


    ■インフラ整備に費用がかかる

    市街化調整区域はそもそも居住を目的にしていないため、電気やガス、水道などのライフラインが整っていないケースもあります。その場合は必要に応じて自己負担でライフラインを整える必要があるので、購入前にそうした費用も把握しておきましょう。


    ■増改築やリフォームにも許可が必要

    家を建てた後、将来的に「増築したい」「大規模リフォームをしたい」と思った時にも、再度許可が必要になる場合があります。



  • まとめ

    まとめ

    今回は、市街化調整区域の特徴や住宅を建てられる条件についてご紹介しました。

    調整区域で住宅を建てるには、いくつかの要件を満たす必要があります。また、条件は細かく、個人で判断するのが難しいケースも少なくありません。ご自身が建築可能な条件に当てはまるか不安な場合は、一度不動産会社や自治体へ相談してみてください。

    また、どのような土地を選べば良いか分からない方も多いかと思います。弊社では物件探しを始めたばかりのお客様も多くご来店されます。ぜひ一度ご来店いただき、お客様のご状況をお聞かせください。ご来店心よりお待ちしております。

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