あわせて読みたい


投稿日:2026年10月15日
最終更新日:2026年10月15日
親が高齢になった、あるいはすでに実家が空き家になっているなど、ご実家の今後について考え始めている方も多いのではないでしょうか。「実家じまい」という言葉を耳にする機会も増えましたが、具体的に何から手をつければ良いのか、費用はどれくらいかかるのか、不安や疑問は尽きないものです。
実家じまいは、単なる家の片付けではありません。家族の歴史や思い出が詰まった場所だからこそ、後悔のないように、計画的に進めることが大切です。
この記事では、実家じまいの基本的な知識から、具体的な進め方、費用、そしてトラブルを避けるための注意点まで、網羅的に解説します。
最近よく聞く「実家じまい」ですが、まずはその意味と、なぜ今多くの人が取り組み始めているのか、その背景から見ていきましょう。
実家じまいとは、親が住んでいた家を、子どもたちの世代が中心となって整理・処分することを指します。具体的には、家財の片付けや遺品整理、そしてその後の不動産を「売却する」「解体する」「賃貸に出す」といった、物理的・法的な手続き全般を含みます。親が元気なうちから一緒に始めるケースもあれば、相続を機に行うケースもあります。
実家じまいが必要とされる一番の理由は、空き家を放置することによるリスクがあるためです。誰も住んでいない家は、想像以上に早く傷んでしまいます。
| リスクの種類 | 具体的な内容 |
|---|---|
| 経済的リスク | ・誰も住んでいなくても固定資産税がかかる ・水道光熱費の基本料金が発生する ・定期的な管理(庭の手入れ、換気など)に費用がかかる |
| 物理的リスク | ・建物の老朽化が進行し、倒壊の危険性が高まる ・害獣が住み着いたり、不審者が侵入したりする恐れがある ・放火や不法投棄のターゲットになりやすい |
| 法的リスク | ・管理不全で近隣に被害を与えた場合、損害賠償を請求される可能性がある ・自治体から「特定空家」に指定されると、行政指導や固定資産税の増額、最終的には強制解体の対象となる |
これらのリスクを避けるためにも、実家の今後について早めに考え、計画的に実家じまいを進めることが重要です。
実家じまいを円滑に進めるためには、段取りが非常に重要です。ここでは、後悔しないための基本的な7つのステップをご紹介します。
最も重要で、最初に行うべきことが親族との話し合いです。親が健在であれば、今後の暮らしの希望や、家・財産に対する想いをしっかりと聞いておきましょう。兄弟姉妹がいる場合は、全員が納得できる形で進めることが、後のトラブルを避ける鍵となります。誰が中心となって進めるのか、費用は誰がどのように分担するのかなど、具体的な役割分担も決めておくとスムーズです。
<話し合い項目リスト>
・親が健在の場合は、今後の居住形態(同居、高齢者施設への入居など)
・相続人になる人
・実家の処分方法(売却、解体、賃貸、維持など)
・費用の負担割合
・手続きを進めるための役割分担
次に、実家の「モノ」と「不動産」としての現状を正確に把握します。
| モノの把握 | どれくらいの量の家財があるか、貴重品や思い出の品はどこにあるかを確認します。 |
|---|---|
| 不動産の把握 | 土地や建物の名義は誰になっているか(登記簿謄本で確認)、家の築年数、状態(雨漏りやシロアリ被害の有無など)、住宅ローンの残債がないかなどを確認しましょう。 |
現状把握ができたら、実家を今後どうするのか、具体的な方針を決めます。主な選択肢は「売却」「解体」「賃貸」「維持」の4つです。それぞれのメリット・デメリットを比較検討し、立地条件や家の状態、家族の意向などを総合的に考慮して、最適な方針を決定します。
方針が決まったら、家財の整理を始めます。「残すもの」「処分するもの」「誰かが引き取るもの」「保留するもの」に分別していくのが効率的です。時間と労力が非常にかかる作業なので、一人で抱え込まず、親族で協力したり、必要であれば専門の整理業者に依頼したりすることも検討しましょう。
決定した方針を実行に移すため、信頼できる専門家を探します。
| 方針 | 専門家 |
|---|---|
| 売却する場合 | 不動産会社 |
| 解体する場合 | 解体業者 |
| 賃貸に出す場合 | 管理会社 |
| 相続登記など法的手続きが必要な場合 | 司法書士 |
複数の業者から見積もりを取り、サービス内容や費用を比較検討することが大切です。
専門家と契約を結び、具体的な手続きを進めます。売却であれば売買契約の締結、解体であれば工事請負契約など重要な契約が伴います。契約書の内容はしっかりと確認し、不明な点は必ず質問するようにしましょう。
売却や解体が終わった後にも、やるべき手続きが残っています。売却して利益が出た場合は翌年に確定申告が必要です。また、解体した場合は、建物滅失登記を法務局に申請する必要があります。最後まで忘れずに行いましょう。
実家じまいには、まとまった費用がかかります。事前に全体像を把握し、資金計画を立てておくことが重要です。
自分たちで片付ける場合は、ゴミ袋代や粗大ごみの処分費用程度で済みますが、業者に依頼する場合は、家の広さや荷物の量によって費用が変動します。
| 家の広さ | 相場 |
|---|---|
| 1K | 3万円~ |
| 3LDK | 20万円~ |
| 一軒家丸ごと | 50万円以上かかることもあります |
建物を解体して更地にする場合の費用です。木造、鉄骨造といった建物の構造や、立地(重機が入りやすいかなど)によって単価が変わります。
| 木造家屋の相場 | 1坪あたり4万円~6万円程度 (例:30坪の木造家屋なら120万円~180万円) |
|---|
家を売却する際には、仲介手数料や印紙税、登記費用などの諸費用がかかります。
| 仲介手数料の相場 | 売買価格の3% + 6万円 + 消費税(上限) |
|---|---|
| その他の諸費用 | 売却価格の4%~6%程度が目安です。 |
実家を所有している限り、毎年固定資産税がかかります。また、売却して利益(譲渡所得)が出た場合には、所得税と住民税がかかります。売却益に関する税金の詳細は複雑なため、専門家への相談がおすすめです。不動産売却時の税金については、下記の記事で詳しく解説していますので、ぜひご覧ください。

実家を今後どうするか、主な4つの選択肢について、メリット・デメリットを詳しく見ていきましょう。
最も一般的な選択肢が売却です。現金化できるため、維持管理の負担がなくなり、財産分与もしやすいというメリットがあります。一方で、思い出の家がなくなる寂しさや、売却活動に手間がかかる点がデメリットです。売却を進める際は、信頼できる不動産会社を見つけることが成功の鍵となります。不動産会社との契約にはいくつかの種類がありますので、「媒介契約」の基本を理解しておくと安心です。また、焦って売却を進めると損をしてしまう可能性もあります。売却時の注意点については、「家の売却でやってはいけないこと」を事前に確認しておくことをお勧めします。


建物が古すぎて売却や賃貸が難しい場合、解体して更地に変える選択肢があります。更地にすることで買い手が見つかりやすくなったり、土地の活用方法が広がったりするメリットがあります。しかし、高額な解体費用がかかる上、更地にすると固定資産税が高くなる(住宅用地の特例が適用されなくなる)という大きなデメリットも理解しておく必要があります。
立地が良い場合などは、リフォームして賃貸に出し、家賃収入を得るという方法もあります。家を残しつつ収益化できるのが最大のメリットです。ただし、空室リスクや修繕費用の発生、入居者トラブルなど、貸主としての責任と手間がかかる点はデメリットと言えるでしょう。
すぐに方針を決められない場合や、将来的に誰かが住む可能性がある場合は、空き家として維持管理することになります。家を残せる安心感はありますが、前述の通り、固定資産税や管理の費用・手間がかかり続けることを覚悟しなければなりません。
| 選択肢 | メリット | デメリット |
|---|---|---|
| 売却 | ・現金化できる ・維持管理の負担がなくなる ・財産分与しやすい | ・家がなくなる寂しさがある ・売却活動に手間がかかる |
| 解体 | ・土地の活用方法が広がる ・買い手が見つかりやすくなることがある | ・高額な解体費用がかかる ・固定資産税が高くなる |
| 賃貸 | ・家賃収入が得られる ・家を残すことができる | ・空室リスクや修繕費用がかかる ・入居者対応の手間がかかる |
| 維持 | ・家を残せる安心感がある ・将来の選択肢を残せる | ・固定資産税や管理コストがかかり続ける ・建物の劣化が進む |
実家じまいは、時に親族間のトラブルに発展することがあります。事前によくある事例と回避策を知っておきましょう。
「売りたい人」と「残したい人」、「早く処分したい人」と「じっくり考えたい人」など、兄弟姉妹間での意見の対立は最も多いトラブルです。
最初のステップである「話し合い」を徹底することです。
それぞれの意見や想いを尊重し、全員が納得できる妥協点を探る姿勢が大切です。感情的にならず、メリット・デメリットを客観的なデータで示すことも有効です。
片付けや解体に思った以上のお金がかかり、誰が負担するのかで揉めるケースです。
事前に複数の業者から見積もりを取り、費用の全体像を把握しておくことが重要です。その上で、費用の分担方法について、事前に親族間で明確な合意を形成しておきましょう。
親の思い出の品やアルバムなど、金銭的価値はないけれど処分しづらいモノの扱いで、作業がストップしてしまうこともあります。
無理に一度で捨てようとせず、「保留ボックス」のようなものを作って一時的に保管するのも一つの手です。デジタル化して写真で残したり、形見分けとして各自が少しずつ引き取ったりする方法も検討しましょう。
実家じまいは、自分たちだけで進めるのが難しい場面も多々あります。困ったときには、専門家の力を借りましょう。
多くの自治体では、空き家に関する相談窓口を設けています。何から始めればいいか分からない、といった初期段階の相談に乗ってくれます。また、空き家問題に取り組むNPO法人なども頼りになります。
売却や賃貸、空き家管理を検討している場合は、不動産会社が最も身近な相談相手です。査定を依頼することで、実家の資産価値を客観的に知ることもできます。地域に密着した会社を選ぶと、より的確なアドバイスがもらえるでしょう。
相続登記が済んでいない場合は司法書士、税金に関する不安があれば税理士、親族間で揉めてしまった場合は弁護士など、内容に応じて法律や税金の専門家に相談しましょう。
「実家を処分したい」と直接言うと拒否反応を示されることが多いため、「将来の防犯や維持管理の心配」「防災や転倒防止のための片付け」という文脈から始めるのが効果的です。また、親の財産管理や老人ホーム等の資金計画と合わせて、「将来どんな暮らしがしたいか」を聴く姿勢で話を進めるとスムーズです。
相続登記が済んでいない不動産や、共有名義になっている不動産は、相続人または共有者全員の合意がないと売却できません。
反対の理由を確かめるため、まずは査定額と維持費の数字を提示してみましょう。それでも話し合いが進まない場合は、弁護士への相談を検討するタイミングです。
まずは「古家付き土地(現状渡し)」で売り出し、買主がつかない場合に解体を検討するのが安全です。
先に解体すると高額な費用がかかる上、更地にすることで住宅用地の税制優遇が外れ、固定資産税が高くなるリスクがあります。まずは現状のまま売りに出し、不動産会社と相談しながら段階的に進めるのがおすすめです。
実家じまいは、時間も労力も、そして精神的なエネルギーも必要な大きなプロジェクトです。しかし、先延ばしにすると、空き家がもたらすリスクによって、将来の子どもたちの世代にさらに大きな負担を残してしまう可能性があります。
大切なのは、家族でしっかりと話し合い、計画的に、そして後悔のないように一歩ずつ進めていくことです。この記事でご紹介したステップや注意点を参考に、ご家族にとって最善の「実家じまい」を実現してください。
実家じまいや不動産の整理は、専門知識や地域の事情に詳しいプロのサポートを受けることで、スムーズかつ納得のいく形で進められます。「何から始めればいいかわからない」「まずは概算の費用や査定額を知りたい」という方も、お気軽にハウスボカンへご相談ください。ご家族のお気持ちに寄り添い、最適なプランをご提案いたします。
物件を実際に探してみよう!不動産購入の知識がついたら物件を探してみよう!会員登録すれば物件検索の幅がグッと広がります!
メリット1
会員限定物件の
閲覧
メリット2
新着物件を
メール配信
メリット3
プライスダウン
物件を配信
メリット4
キャンペーン・
お役立ち情報を
お届け
メリット5
お気に入り物件を
保存
メリット6
自動入力で
簡単問い合わせ