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投稿日:2026年07月15日
最終更新日:2026年07月15日
不動産の売却を考え始めたとき、多くの方が不動産会社に仲介を依頼します。その際に必ず結ぶことになるのが「媒介契約」です。
しかし、この媒介契約には3つの種類があり、どれを選ぶかによって売却活動の進め方や結果が大きく変わることがあります。初めて不動産を売却する方にとっては、専門用語も多く、難しく感じてしまうかもしれません。
この記事では、媒介契約の基本的な知識から、3つの種類の特徴、メリット・デメリット、そしてあなたの状況に合った選び方まで、わかりやすく解説していきます。
不動産売却を成功させるためには、まず媒介契約について正しく理解することが重要です。ここでは、媒介契約の基本的な役割と、その必要性について解説します。
媒介契約とは、所有する不動産の売却活動を不動産会社に正式に依頼するために結ぶ契約のことをいいます。この契約に基づいて、不動産会社は広告の掲載、購入希望者の募集、内覧の対応、価格交渉、売買契約書の作成といった一連の仲介業務を行います。
不動産会社が売主から依頼を受けて仲介業務を行う場合、宅地建物取引業法という法律によって、媒介契約を締結することが義務付けられています。 仲介手数料の金額や、不動産会社が行う業務の範囲、売主への報告義務などを書面で明確にすることで、売主は安心して売却を任せることができ、不動産会社は責任を持って業務を遂行できるようになります。
媒介契約には「一般媒介契約」「専任媒介契約」「専属専任媒介契約」の3種類があります。
一般媒介契約は、3つの契約形態の中で最も自由度が高い契約です。最大の特徴は、複数の不動産会社に同時に仲介を依頼できる点です。また、売主自身が親戚や知人など、自分で見つけてきた購入希望者と直接売買契約を結ぶこと(自己発見取引)も可能です。
専任媒介契約は、仲介を依頼する不動産会社を1社に絞る契約です。複数の会社に重ねて依頼することはできません。ただし、売主自身が購入希望者を見つける自己発見取引は認められています。契約した不動産会社には、2週間に1回以上の業務報告義務と、契約締結の翌日から7日以内に物件情報をレインズ(不動産流通標準情報システム)へ登録する義務が課せられます。
専属専任媒介契約は、専任媒介契約よりもさらに制約が厳しく、不動産会社との結びつきが最も強い契約です。仲介を依頼できる不動産会社が1社のみである点は専任媒介契約と同じですが、自己発見取引が認められていません。つまり、たとえ自分で買主を見つけた場合でも、必ず依頼した不動産会社を介して契約する必要があります。その分、不動産会社の義務もより厳しくなり、1週間に1回以上の業務報告と、5日以内のレインズ登録が義務付けられています。
3種類の媒介契約の主な違いを一覧表にまとめました。これらのポイントを比較することで、それぞれの契約の特徴をより深く理解することができます。
| 比較項目 | 一般媒介契約 | 専任媒介契約 | 専属専任媒介契約 |
|---|---|---|---|
| 複数社との契約 | 可能(制限なし) | 不可(1社のみ) | 不可(1社のみ) |
| 自己発見取引 | 可能 | 可能 | 不可 |
| レインズ登録義務 | なし | 契約後7日以内 | 契約後5日以内 |
| 業務状況の報告 | なし | 2週間に1回以上 | 1週間に1回以上 |
| 契約の有効期間 | 標準約款では3ヶ月 | 最長3ヶ月以内 | 最長3ヶ月以内 |

それぞれの媒介契約には、売主にとって異なるメリットがあります。物件の人気度や、売却にかけられる時間、不動産会社との関わり方など、ご自身の希望に合わせて最適な契約形態を選ぶための参考にしてください。
・複数の不動産会社に売却を依頼できる
複数の会社へ同時に依頼できるため、それぞれの顧客ネットワークを活用して幅広く買主を探せます。
・より良い条件で売却できる可能性がある
複数の不動産会社へ依頼することで、より多くの購入希望者へ物件情報を届けられ、好条件で売却できる可能性があります。
・売却活動を周囲に知られにくい
レインズへの登録義務がないため、プライバシーを守りたい場合にも適しています。
・積極的な売却活動が期待できる
1社に限定して依頼する契約のため、販売計画に沿って売却活動を進めてもらいやすくなります。
・売却活動の状況を把握しやすい
2週間に1回以上の業務報告やレインズ登録が義務付けられており、透明性が高いです。
・やり取りの手間がかからない
窓口が1社にまとまるため、相談や連絡がスムーズになり、売却活動を進めやすくなります。
・手厚いサポートを受けやすい
1社が窓口となるため、一貫した販売方針で売却活動を進めてもらいやすいです。
・進捗状況を細かく確認できる
1週間に1回以上の業務報告が義務付けられているため、売却活動の状況をこまめに把握できます。
・売却手続きの負担を軽減できる
窓口が一本化されるため、複数の不動産会社とやり取りする必要がなく、初めての売却でも進めやすいです。
メリットがある一方で、それぞれの契約にはデメリットや注意すべき点も存在します。契約を結んでから後悔しないよう、デメリットもしっかりと理解しておきましょう。
・不動産会社によって販売活動に差が出ることがある
他社で成約する可能性もあるため、会社によっては広告や営業活動に積極的でないケースがあります。
・情報の共有範囲が限定される場合がある
レインズへの登録義務がないため、物件情報が他社へ広がるまで時間がかかることがあります。
・売主自身の管理が増える
複数の不動産会社とやり取りするため、内覧日程や価格交渉などの調整に手間がかかる場合があります。
・不動産会社の販売力に左右される
売却活動を1社に任せるため、会社や担当者の販売力によって結果が左右されます。
・「囲い込み」のリスクがある
他社に物件を紹介せず、自社の顧客だけに売ろうとする悪質な囲い込みにより、売却が長引く恐れがあります。
・自己発見取引ができない
自分で買主を見つけた場合でも、不動産会社を通して契約する必要があります。
・不動産会社への依存度が高い
販売活動をすべて1社に任せるため、担当者の対応や販売力が売却結果に大きく影響します。
・売却活動の自由度が低い
ほかの媒介契約と比べて自由度が低いため、信頼できる不動産会社を選ぶことが重要です。

ここまで解説してきた特徴を踏まえ、どのような状況の方にどの契約が向いているのかを具体的に見ていきましょう。ご自身の物件の特性や、売却に対する考え方と照らし合わせてみてください。
人気エリアにある、駅から近いなど、条件の良い物件を所有しており、複数の不動産会社の対応を見ながらじっくり進めたい方には「一般媒介契約」が向いています。複数の不動産会社へ依頼できるため、幅広く購入希望者を探せる点がメリットです。また、自分で買主を見つけられる可能性がある方も、自由度の高い一般媒介契約がおすすめです。
売却にあまり手間や時間をかけたくない方や、不動産売却が初めてで手厚いサポートを希望する方には「専属専任媒介契約」が適しています。売却活動を1社に任せられるため、担当者と密に連携しながら売却を進められます。また、こまめな業務報告を受けられるため、売却状況を把握しやすいです。
不動産会社に熱心に売却活動をしてもらいたいけれど、もしかしたら親族や知人など、自分で買主を見つけられるかもしれない、という方には「専任媒介契約」がおすすめです。専任媒介契約は、不動産会社による売却活動と自己発見取引の両方に対応できる、バランスの取れた契約です。
どの媒介契約を選ぶかにかかわらず、契約を締結する前に共通して知っておくべき重要なポイントがいくつかあります。トラブルを未然に防ぎ、スムーズな売却を実現するために、以下の点を確認しておきましょう。
専任媒介契約と専属専任媒介契約の有効期間は、法律で最長3ヶ月と定められています。一般媒介契約には法律上の定めはありませんが、国土交通省が定める標準媒介契約約款では3ヶ月以内とされています。3ヶ月経っても売却できなかった場合は、不動産会社との合意の上で契約を更新するか、別の不動産会社や契約形態に見直すかを検討することになります。
仲介手数料は、売買契約が成立した際に不動産会社へ支払う成功報酬です。どの媒介契約を選んでも、法律で定められた上限額に変わりはありません。売買価格が400万円を超える場合の上限額は「(売買価格 × 3% + 6万円) + 消費税」という速算式で計算されます。
| 売買価格の計算区分 | 仲介手数料の上限(報酬率) |
|---|---|
| 200万円以下の部分 | 売買価格の 5% + 消費税 |
| 200万円超 〜 400万円以下の部分 | 売買価格の 4% + 消費税 |
| 400万円超の部分 | 売買価格の 3% + 消費税 |
特に専任・専属専任媒介契約では、パートナーとなる不動産会社選びが極めて重要です。査定価格だけで判断するのではなく、担当者の対応や提案内容を比較して、最も信頼できると感じた会社と契約することが成功への鍵となります。
・価格の根拠を明確に説明してくれるか
・地域の不動産市場に詳しいか
・売却実績は豊富か


不動産売却における媒介契約には「一般媒介」「専任媒介」「専属専任媒介」の3種類があり、それぞれに異なる特徴とメリット・デメリットが存在します。ご自身の物件の状況や売却方針に最も合った契約を選ぶことが、納得のいく不動産売却を実現するための第一歩です。この記事を参考に、各契約の違いをしっかりと理解し、信頼できる不動産会社と共に、納得のいく不動産売却につなげましょう。
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