
投稿日:2026年07月25日
最終更新日:2026年07月23日
「子供が大きくなって今の家が手狭になった」「転勤が決まった」など、ライフスタイルの変化によって住み替えを検討する方は多いでしょう。しかし、現在の住宅ローンが残っている場合、「新しい家なんて買えるのだろうか」と不安に思うかもしれません。結論から言うと、住宅ローンが残っていても住み替えは可能です。その際に役立つのが「住み替えローン」です。この記事では、住み替えローンの仕組みからメリット・デメリット、利用する際の流れや注意点まで、分かりやすく解説します。
現在の住宅ローンを返済中であっても、新しい家への住み替えを諦める必要はありません。住み替えを実現するためのローン商品として「住み替えローン」があります。このローンを活用することで、現在のローン残債と新しい家の購入資金をまとめて借り入れることが可能になります。まずは、住み替えローンの基本的な仕組みと、混同されがちな他のローンとの違いを理解しましょう。
住み替えローンとは、現在住んでいる家の売却代金だけでは住宅ローンを完済できない場合に利用できるローンです。具体的には、現在の住宅ローンの残債と、新しく購入する家の購入資金を合算して借り入れることができます。例えば、現在のローン残債が2,000万円で、家の売却価格が1,500万円だった場合、差額の500万円が残ります。この500万円と、新居の購入費用4,000万円を合わせた4,500万円を借り入れるのが住み替えローンです。この仕組みにより、自己資金が少なくてもスムーズに住み替えを進めることが可能になります。
住み替えに関連するローンには、「つなぎ融資」や「ダブルローン」もありますが、それぞれ仕組みが異なります。つなぎ融資は、現在の家が売れるまでの間、一時的に新居の購入資金を立て替えるための短期的なローンです。家が売れたら、その売却代金で一括返済します。一方、ダブルローンは、現在の住宅ローンと新居の住宅ローンの二つを同時に返済していく方法です。資金的に余裕がある場合に選択されることが多いですが、返済負担は大きくなります。
| ローンの種類 | 特徴 |
|---|---|
| 住み替えローン | 現在のローン残債と新居の購入資金をまとめて借り入れる。ローンは一本化される。 |
| つなぎ融資 | 新居の購入資金を一時的に借り入れ、現在の家の売却代金で一括返済する短期ローン。 |
| ダブルローン | 現在のローンと新居のローンを同時に返済する。返済負担が大きい。 |
住み替えローンは、ローンを一本化できるため、資金管理がしやすい点が大きな違いです。
住み替えローンには、資金計画を立てやすくしたり、手続きの手間を省いたりできるといったメリットがあります。自己資金に不安がある方や、スムーズに引っ越しを済ませたい方にとっては、特に魅力的な選択肢となるでしょう。では、具体的なメリットを3つ紹介します。
1.自己資金が少なくても住み替えできる
最大のメリットは、自己資金が潤沢でなくても住み替えが実現できる点です。通常、住み替えの際に今の家の売却額がローン残高を下回る「オーバーローン」の状態だと、差額を自己資金で補ってローンを完済する必要があります。しかし、住み替えローンを利用すれば、その差額分も新しいローンに組み込めるため、手元の資金を残したまま新居の購入が可能です。これにより、諸費用や引っ越し代など、予期せぬ出費にも対応しやすくなります。
2.仮住まいの費用や手間を抑えられる
住み替えでは、家の売却と新居の購入のタイミングがずれると、一時的にアパートなどで暮らす「仮住まい」が必要になることがあります。仮住まいは、敷金・礼金などの初期費用や家賃がかかるだけでなく、2回の引っ越しが必要になるため、費用と手間の両面で負担が大きくなります。住み替えローンは、現在の家の引き渡しと新居への入居を同日に行うことを前提としているため、仮住まいをせずにスムーズに新しい家に移ることができ、余計なコストを削減できます。
3.住宅ローンの返済を一本化できる
もし現在の住宅ローンが残ったまま新しいローンを組むと、二つのローンを同時に管理・返済する必要があり、家計管理が複雑になります。住み替えローンでは、現在のローン残債と新居の購入資金を一つのローンにまとめることができます。これにより、返済先が一つになり、毎月の返済額や返済日の管理がシンプルになります。資金計画が立てやすくなる点も、精神的な負担を軽減する上で大きなメリットと言えるでしょう。
多くのメリットがある一方で、住み替えローンには注意すべきデメリットも存在します。特に、金利や返済総額、スケジュールの管理といった点で、一般的な住宅ローンとは異なる側面があります。利用を検討する際は、これらのデメリットを十分に理解し、ご自身の状況と照らし合わせて慎重に判断することが重要です。
1.一般的な住宅ローンより金利が高い傾向
住み替えローンは、金融機関にとって貸し倒れのリスクが比較的高いため、一般的な住宅ローンよりも金利が高めに設定される傾向があります。金融機関によっては、優遇金利が適用されにくい場合もあります。金利が少し違うだけでも、返済期間が長期にわたる住宅ローンでは、総返済額に大きな差が生まれます。利用を検討する際は、複数の金融機関の金利を比較し、返済シミュレーションをしっかりと行うことが不可欠です。
2.借入額が大きくなり返済負担が増える
住み替えローンは、現在のローン残債と新居の購入費用を合算するため、借入額が大きくなりがちです。借入額が増えれば、当然ながら毎月の返済額も高くなり、総返済額も増加します。これにより、家計における返済負担率が上昇し、将来の生活を圧迫する可能性があります。申し込みの際は、現在の収入や将来のライフプランを考慮し、無理のない返済計画を立てることが極めて重要です。
3.売却と購入のタイミング調整が難しい
住み替えローンを利用する場合、原則として現在の家の売却(引き渡し)と、新しい家の購入(引き渡し)を同じ日に行う必要があります。そのため、売主、買主、不動産会社、金融機関など、多くの関係者との間で緻密なスケジュール調整が求められます。もしタイミングが合わなければ、契約が白紙に戻ったり、不利な条件で売却せざるを得なくなったりするリスクもあります。信頼できる不動産会社を選び、密に連携を取りながら進めることが成功の鍵となります。
住み替えには、現在の家を「売る」ことと、新しい家を「買う」ことの二つの手続きがあります。どちらを先に行うかによって、資金計画の立てやすさや住み替えのスムーズさが大きく変わってきます。ここでは、それぞれのメリット・デメリットを理解し、どちらの方法が自分に合っているか考えてみましょう。
「売り先行」は、まず現在の家を売却してから、新しい家を探す方法です。売却価格が確定するため、資金計画を立てやすいのが最大のメリットです。売却で得た資金を新居の頭金に充てることができ、予算内でじっくりと理想の家を探すことができます。一方で、売却後にすぐ新居が見つからない場合、仮住まいが必要になる点がデメリットです。仮住まいの期間が長引くと、その分家賃や引っ越し費用がかさんでしまいます。
| 売り先行 | メリット | デメリット |
|---|---|---|
| 特徴:現在の家を売却してから新居を探す | ・売却価格が確定し、資金計画が立てやすい ・新居をじっくり探せる | ・仮住まいが必要になる可能性がある ・引っ越しが2回になる場合があり費用や手間が増える |
「買い先行」は、先に新居を購入してから、現在の家を売却する方法です。気に入った物件を買い逃す心配がなく、仮住まいの必要がないため、スムーズに新生活をスタートできるのがメリットです。しかし、現在の家が希望通りの価格や時期に売れないリスクがあります。売却活動が長引くと、新旧両方のローンを一時的に負担する「ダブルローン」状態になる可能性もあり、資金的なプレッシャーが大きくなる点がデメリットです。
| 買い先行 | メリット | デメリット |
|---|---|---|
| 特徴:新居を購入してから現在の家を売却する | ・気に入った物件を確実に購入できる ・仮住まいが不要 | ・ダブルローンになるリスクがある ・売却を急ぐことで希望価格より安く売却する可能性がある |

住み替えローンを利用した住み替えは、計画的に進めることが成功の鍵です。売却と購入を同時に進めるため、手続きは複雑になりがちです。ここでは、住み替えローンを利用する場合の一般的な流れを5つのステップに分けて解説します。各ステップで何をすべきかを事前に把握し、スムーズな住み替えを目指しましょう。
まず初めに、信頼できる不動産会社に相談し、現在の家がいくらで売れそうか査定を依頼します。この査定額が、資金計画の土台となります。複数の会社に査定を依頼し、査定額の根拠や販売戦略を比較検討することが重要です。また、この段階で住み替えを検討していることを伝え、全体のスケジュール感や注意点についてアドバイスをもらいましょう。
次に、現在利用している金融機関に連絡し、住宅ローンの残債が正確にいくらあるかを確認します。残高は、年に一度送られてくる残高証明書や、金融機関のウェブサイトなどで確認できます。家の査定額とローン残債を比較することで、売却後にローンを完済できるか(アンダーローン)、残債が残るか(オーバーローン)が明確になり、住み替えローンが必要かどうかを判断できます。
ローン残債を確認し、住み替えの方向性が固まったら、正式に不動産会社と媒介契約を結び、家の売却活動を開始します。同時に、希望条件に合う新しい家の物件探しも進めていきます。住み替えローンでは売却と購入のタイミングが重要になるため、不動産会社の担当者と密に連携を取りながら進めることが大切です。
新居の購入物件がある程度絞り込めたら、住み替えローンを取り扱っている金融機関を探し、事前審査を申し込みます。多くの金融機関が住み替えローンを提供していますが、金利や審査基準はそれぞれ異なります。現在取引のある金融機関や、不動産会社から紹介された提携金融機関などに相談してみると良いでしょう。
売買契約が成立し、事前審査も通過したら、いよいよ住み替えローンの本審査に申し込みます。本審査では、収入証明書や売買契約書など、多くの書類が必要になります。審査には通常1〜2週間程度かかります。無事に審査を通過し、融資契約を結んだ後、売却と購入の決済を同日に行い、住み替えが完了します。
住み替えローンは借入額が大きくなる傾向があるため、金融機関の審査は一般的な住宅ローンよりも慎重に行われます。審査をスムーズに通過するためには、いくつか押さえておくべきポイントがあります。ここで紹介する注意点を事前に理解し、対策を講じておくことで、審査に通る可能性を高めることができます。
住み替えローンは、新規の住宅ローンに比べて借入額が大きくなりやすく、返済負担率も高くなるため、審査のハードルは高めと考えておくのが賢明です。年収や勤務先、勤続年数、個人の信用情報などが厳しくチェックされます。特に、返済負担率(年収に占める年間返済額の割合)は重要な指標となります。ご自身の状況で審査に通るか不安な場合は、金融機関に事前に相談してみましょう。
魅力的な物件を見つけると、すぐにでも契約したくなる気持ちは分かりますが、焦りは禁物です。「買い先行」で新居の購入契約を先に結んでしまうと、現在の家の売却を急がなければならなくなり、結果的に希望より低い価格で手放すことになりかねません。住み替えローンは、現在の家の売却価格がある程度固まらないと融資額が確定しないため、売却の見通しが立ってから新居の契約を進めるのが安全です。
住宅ローンの審査では、他のすべての借り入れを含めた総返済負担率が見られます。自動車ローンやカードローン、スマートフォンの分割払いなども対象です。これらの借り入れが残っていると、その分返済能力が低いと判断され、審査に不利に働く可能性があります。住み替えローンを申し込む前には、できる限り他の借り入れを整理し、完済しておくことを強くおすすめします。

住み替えローンは非常に便利な仕組みですが、「自分は審査に通るのだろうか」「将来無理なく返済できるだろうか」と不安を感じる方も多いのではないでしょうか。
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金融機関からの「いくら借りられるか」ではなく、お客様のライフプランに合わせた「いくらなら無理なく返済できるか」を丁寧に見極めます。
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住み替えローンは、住宅ローンが残っている状態でも新しい住まいへの夢をかなえるための強力な選択肢です。自己資金を抑えつつ、スムーズな住み替えを実現できるメリットがある一方で、金利や返済負担、スケジュールの調整など、慎重に検討すべき点もあります。成功のためには、まず現在のローン残債を正確に把握し、信頼できる不動産会社や金融機関に相談しながら、計画的に進めることが重要です。この記事で紹介した流れや注意点を参考にして、ぜひ理想の住み替えを実現してください。
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