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投稿日:2026年05月23日
不動産を少しでも高く、スムーズに売却するためには、不動産会社選びが重要です。
しかし、中には売主の利益よりも、自社の仲介手数料を優先する「囲い込み」が行われているケースもあります。囲い込みによって販売ルートが制限されると、本来出会えたはずの購入希望者を逃してしまうことがあります。
売主自身が気づきにくい問題だからこそ、事前に仕組みを知っておくことが大切です。今回のコラムでは、囲い込みの特徴や具体的な対策について分かりやすく解説します。
囲い込みとは、売却を依頼された不動産会社が自社で買主も見つけて仲介手数料を得るために、他社からの購入希望者の紹介を意図的に断る行為です。
この背景には、不動産会社が売主・買主の双方を1社で仲介する「両手仲介」の仕組みがあります。
不動産仲介は、物件が成約した際に報酬が発生する成功報酬型であり、売主・買主の両方を担当することで、双方から仲介手数料を受け取ることができます。なお、仲介手数料の上限は以下の通りです。
| 売却価格 | 仲介手数料の上限 |
|---|---|
| 200万円以下の部分 | 売却価格の5%+消費税 |
| 200万円を超えて400万円以下の部分 | 売却価格の4%+消費税 |
| 400万円を超える部分 | 売却価格の3%+消費税 |
他社経由で買主を紹介してもらう「片手仲介」の場合、不動産会社が受け取れる仲介手数料は売主側のみとなります。
一方、自社で買主も見つける「両手仲介」であれば、売主・買主の双方から仲介手数料を受け取ることができるため、一部の不動産会社では、より利益を得やすい両手仲介を優先し、「囲い込み」を行うことがあります。
不動産取引の仲介形態には、下記の2種類があります。
| 両手仲介 | 1社が売主・買主の両方を担当 |
|---|---|
| 片手仲介 | 売主と買主それぞれ別の会社が担当 |
両手仲介自体は禁止されておらず、窓口が一本化されることで、スケジュール調整や条件交渉が進めやすいメリットがあります。
ただし、不動産会社が利益を優先すると、「囲い込み」が発生しやすくなります。囲い込みが行われると、他社からの問い合わせを断ったり、物件情報の公開を制限したりするため、購入希望者が減り、売却が長期化することもあります。
囲い込みで多いのが、他社からの問い合わせに対して「すでに申し込みが入っています」「現在商談中です」と伝え、紹介を断るケースです。
自社の顧客だけで成約させ、両手仲介を成立させるため、実際には申し込みが入っていなくても、他社を断ってしまうことがあります。売主には「順調に話が進んでいます」と説明されるため、気づきにくい点も特徴です。
レインズへ登録していても、実際には他社へ十分に情報公開していないケースがあります。レインズは不動産会社同士が物件情報を共有する仕組みですが、囲い込みを行う会社は以下のような対応を取ることがあります。
・詳細資料を渡さない
・内見日程の調整を遅らせる
・問い合わせ対応を後回しにする
このように他社が紹介しづらい状況をつくり、自社での成約を優先しようとします。売主は「レインズに登録されているから安心」と思っていても、実際には販売機会が制限されていることがあります。
囲い込みの中でも見落とされやすいのが、不自然な値下げ提案です。価格を下げることで自社顧客へ売りやすくし、早期に両手仲介で成約させようとする狙いがあります。
特に注意したいのが、売り出して間もない段階で「反響が少ないので値下げしましょう」と勧められるケースです。通常は2〜4週間ほど市場の反応を見ながら販売状況を判断することが多いため、急な値下げ提案には注意が必要です。値下げを提案された際は、問い合わせ件数や内見数など、具体的な販売状況を確認することが大切です。
囲い込みが行われると価格競争が起きにくくなり、相場より安く売れてしまう可能性があります。
本来は複数の購入希望者を比較することで、より良い条件で売却しやすくなります。しかし、他社からの紹介が制限されると、高く買いたい人の情報が売主へ届かないことがあります。
囲い込みによって他社からの紹介が減ると、購入希望者へ物件情報が届く機会も少なくなります。
不動産取引は、ポータルサイトだけでなく不動産会社同士の紹介で成約するケースも多いため、販売チャンスの減少につながります。
買主候補が限られることで、売却までに時間がかかる場合があります。
売却が長引くと、住宅ローンの二重支払いや仮住まい費用が発生することもあり、結果として値下げを迫られるケースもあります。
最も分かりやすいサインは、反響が極端に少ないことです。通常はポータル掲載後1〜2週間で一定の問い合わせが入りますが、ゼロや極端に少ない場合は流通が止まっている可能性があります。もし違和感があれば遠慮せず詳細を確認しましょう。
以下の状況の場合、注意が必要です。
・2週間以上経っても問い合わせがほぼない
・内見希望がほとんど入らない
・報告内容が曖昧
囲い込み対策として有効なのが、売主自身でレインズの登録状況を確認することです。レインズとは、不動産会社同士が物件情報を共有するシステムで、専任媒介契約・専属専任媒介契約では登録が義務付けられています。
売主は、不動産会社から交付される登録証明書から取引状況を確認できます。取引状況には以下のいずれかのステータスが登録されています。
| 公開中 | 他の不動産会社から問い合わせを受け付けている状態 |
|---|---|
| 書面による購入申込みあり | 不動産会社が書面による購入申込みを受けた状態 |
| 売主都合で一時紹介停止中 | 売却依頼主の事情により一時的に物件を紹介できない状態 |
※参照:東日本レインズ.媒介契約制度 https://www.reins.or.jp/contract/ (参照 2026-05-17).
通常、売却活動中は「公開中」となります。もしそれ以外の表示になっていて、担当者から説明がない場合は、すぐに理由を確認しましょう。
確実な証拠を掴むには、知人に「購入希望者」として他社経由で問い合わせてもらうのが有効です。
売主本人には「問い合わせがあります」と説明していても、他社には異なる対応をしているケースがあるためです。第三者を通して確認することで、不動産会社の対応姿勢が見えやすくなります。
以下のような対応があった場合は注意が必要です。
・「すでに決まっています」と断られる
・内見を断られる
・連絡が来ない
タイミングによっては本当に商談中の場合もあります。しかし、不自然な対応が続く場合は、囲い込みの可能性も考えられます。

まず確認したいのは、「他社と積極的に連携する姿勢があるか」です。
囲い込みをしない会社は、最初の提案段階から「できるだけ多くの購入希望者に情報を届ける」という考えで売却活動を行います。一方、自社顧客の話ばかり強調する会社は注意が必要です。
・他社からの紹介も歓迎している
・レインズの活用方法を説明してくれる
・ポータルサイトや広告戦略を具体的に提案してくれる
こうした説明がある会社は、広く買主を探す販売スタンスを持っている可能性が高いといえます。
信頼できる会社は、査定価格の根拠や販売戦略を具体的に説明してくれます。
査定価格だけでなく、「なぜその価格なのか」「どのように販売するのか」まで説明がある会社は、透明性の高い売却活動を行っている傾向があります。
・周辺の成約事例を提示している
・競合物件との違いを説明している
・想定する購入ターゲットを明確にしている
反対に、「高く売れます」「すぐ売れます」といった説明だけで、具体的な根拠がない場合は注意が必要です。
囲い込みを防ぐためには、「情報の見える化」も重要です。信頼できる会社は、売却活動の状況を感覚ではなく、数値で共有してくれます。
・レインズ閲覧数を共有してくれる
・問い合わせ件数を報告してくれる
・内見数や反響状況を定期共有してくれる
報告頻度の目安としては、週1回程度あると安心です。状況を数値で確認できることで、売主自身も客観的に判断しやすくなります。
「すぐ売れます」「必ず高く売れます」といった言葉ばかり強調する会社には注意が必要です。
不動産売却は、市場状況やタイミングによって結果が変わるため、絶対を断言できるものではありません。囲い込みを行う会社ほど、契約を優先し、リスク説明を十分に行わないことがあります。
・メリットだけでなくデメリットも説明してくれる
・売却時のリスクや注意点も共有してくれる
・販売スケジュールを具体的に説明してくれる
「高く売れる」という言葉だけで判断せず、「なぜその価格なのか」「どのように販売するのか」まで確認することが大切です。

囲い込みは、売主が気づかないまま進んでしまうことも多く、売却価格の低下や長期化につながる原因の一つです。そのため、不動産売却では「どの会社に依頼するか」が重要です。他社にも積極的に情報公開しているか、販売状況を定期的に共有してくれるか、査定価格の根拠を具体的に説明してくれるかなどを確認しながら、透明性の高い会社を選ぶことが大切です。
また、不動産会社によって査定価格や販売戦略は異なるため、まずは複数社へ相談し、提案内容を比較してみることをおすすめします。ハウスボカンでは、査定価格だけでなく、周辺相場や販売戦略、売却スケジュールまで丁寧にご説明し、一人ひとりに合った売却方法をご提案しています。
「囲い込みが不安」「今の販売方法が適切か知りたい」「できるだけ納得できる条件で売却したい」という方は、お気軽にご相談ください。
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