不動産の贈与税はいくら?計算方法と控除をわかりやすく解説|贈与後に売却する場合の税金と注意点
投稿日:2026年04月18日
最終更新日:2026年04月17日
不動産を家族に贈与する際に気になるのが「贈与税はいくらかかるのか?」という点ではないでしょうか。現金とは異なり、不動産は評価額の考え方が複雑なため、思った以上に税額が高くなるケースも少なくありません。
また、「とりあえず名義を変えておけば安心」と考えて贈与してしまうと、後から思わぬ税負担や手続きの手間が発生することもあります。特に、贈与後に売却を検討している場合は、所得税や住民税など別の税金にも注意が必要です。
この記事では、不動産の贈与税の基本から、具体的な計算方法、活用できる控除や特例についてわかりやすく解説します。さらに、贈与後に売却する場合の税金や注意点まで踏まえ、「贈与」と「売却」どちらを選ぶべきか判断するためのポイントもご紹介します。
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不動産の贈与税とは?わかりやすく解説
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不動産の贈与税とは、土地や建物などの不動産を無償で譲り受けた際に、その受け取った人(受贈者)に対して課される税金です。現金と同様に「財産の移転」とみなされるため、一定額を超えると贈与税の対象となります。
不動産は金額が大きくなりやすいため、事前に税額や仕組みを理解しておかないと、想定以上の負担が発生することも少なくありません。ここでは、贈与税がかかるタイミングや評価方法、計算の流れについて順番に解説します。
贈与税がかかるタイミングと相続との違い
贈与税は、個人から個人へ財産を「あげたとき(もらったとき)」に発生します。たとえば、親から子へ土地や住宅を名義変更した場合、その時点で贈与とみなされ、贈与税の対象となります。
一方で、似ている制度に「相続税」がありますが、大きな違いは以下の通りです。
・贈与税:生前に財産を渡したときにかかる
・相続税:亡くなった後に財産を引き継いだときにかかる
一般的に、贈与税は相続税よりも税率が高く設定されています。これは、生前に財産を分散して相続税を回避することを防ぐためです。
ただし、制度をうまく活用すれば、贈与のほうが有利になるケースもあるため、単純にどちらが得とは言い切れません。
不動産の評価額の決まり方
不動産の贈与税は、実際の売買価格ではなく「評価額」をもとに計算されます。この評価方法が、現金と大きく異なるポイントです。
主な評価方法は以下の2つです。
① 建物:固定資産税評価額
市区町村が定める評価額で、一般的には市場価格の約60〜70%程度といわれています。
② 土地:路線価または倍率方式
・路線価:国税庁が定める道路ごとの価格
・倍率方式:固定資産税評価額に一定倍率をかけて算出
路線価は市場価格のおおよそ80%程度が目安とされており、実際の売却価格よりも低く評価されるケースが多いです。
つまり、不動産は実勢価格よりも低い評価額で贈与税が計算される可能性がある点が特徴です。
贈与税の基本的な計算手順とシミュレーション
贈与税は、以下の流れで計算します。
① 不動産の評価額を算出する
土地・建物それぞれの評価額を合算します。
② 基礎控除(110万円)を差し引く
1年間でもらった財産の合計から110万円を控除します。
③ 税率をかけて税額を算出する
残った金額に対して、累進課税(10%〜55%)を適用します。
▼シミュレーション例(親から18歳以上の子へ贈与する特例贈与の場合)
・土地+建物の評価額:1,000万円
・基礎控除:110万円
→ 課税価格:890万円
この場合、税率は30%(控除額90万円)となるため
890万円 × 30% − 90万円 = 約177万円(贈与税額)
※補足:累進課税とは?
贈与税は「累進課税」といって、課税価格が大きくなるほど税率も段階的に上がる仕組みです。
ただし実際の計算では、上記のように「税率 × 課税価格 − 控除額」で一括計算できるため、実務上はシンプルに求めることができます。
そのため、不動産のように金額が大きい資産を一度に贈与すると、税率が高くなりやすい点には注意が必要です。
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贈与税を安くする!知っておきたい控除と特例
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暦年贈与の基礎控除
もっとも基本となるのが「暦年贈与の基礎控除」です。
毎年1月1日〜12月31日までの1年間で受け取った財産の合計が110万円以下であれば、贈与税はかかりません。
この仕組みを活用することで、たとえば不動産を一度に贈与するのではなく、持分を数年にわたって少しずつ贈与するといった方法も検討できます。
ただし、以下のような点には注意が必要です。
・毎年同じ時期、同じ金額で贈与すると「定期贈与」とみなされる可能性がある
・名義だけ変更して実態が伴わない場合、贈与と認められないことがある
計画的に活用することが重要です。
配偶者控除(おしどり贈与)
夫婦間で自宅などの不動産を贈与する場合は、「配偶者控除(通称:おしどり贈与)」が利用できる可能性があります。
一定の条件を満たすことで、最大2,000万円までの配偶者控除が受けられます。さらに、基礎控除110万円も併用できるため、合計で最大2,110万円まで非課税とすることが可能です。
主な適用条件は以下の通りです。
・婚姻期間が20年以上であること
・居住用不動産、またはその取得資金であること
・贈与を受けた年の翌年3月15日までに居住し、その後も住み続ける見込みであること
自宅の名義を配偶者に移したい場合に有効な制度ですが、一生に一度しか使えないため、タイミングの見極めが重要です。
相続時精算課税制度
「相続時精算課税制度」は、生前にまとまった財産を贈与しやすくするための制度です。
この制度を利用すると、累計2,500万円まで特別控除が受けられ、それを超えた部分に対して一律20%の税率がかかります。
ただし、この制度には大きな特徴があります。
・贈与時は非課税でも、将来の相続時にまとめて精算(相続財産に加算)される
・一度選択すると、暦年贈与には戻せない
つまり、「今は税金がかからないが、最終的には相続税で調整される仕組み」です。
不動産のように評価額が変動する可能性がある資産や、将来的に値上がりが見込まれる場合には、有効に活用できるケースもあります。
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贈与税の申告手続き|必要書類と書き方の要点
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申告先と申告期限
贈与税の申告は、贈与を受けた人(受贈者)の住所地を管轄する税務署へ行います。
申告期間は以下の通りです。
申告期間:贈与を受けた年の翌年2月1日〜3月15日
この期間内に、申告書の提出と納税を行う必要があります。
期限を過ぎてしまうと、以下のようなペナルティが課される可能性があります。
・無申告加算税
・延滞税
また、相続時精算課税制度などの特例は、期限内申告が適用条件となっているものも多いため、スケジュール管理が非常に重要です。
必要書類一覧
不動産の贈与税申告では、以下のような書類が必要になります。
主な必要書類
・本人確認書類
・贈与税の申告書
・登記事項証明書(登記簿謄本)
・固定資産税評価証明書
・路線価図などの評価資料
・贈与契約書
・戸籍謄本(配偶者控除などを利用する場合)
・住民票(居住要件の確認が必要な場合)
特に不動産は評価の根拠資料が重要になるため、どの評価方法を用いたかが分かる資料をしっかり揃えることがポイントです。
書類に不備があると、後から修正や追加提出が必要になるため、事前にチェックしておきましょう。
納税が難しいときの対応
贈与税は原則として現金での一括納付が必要です。
そのため、不動産のように現金収入を伴わない贈与では、「税金だけ用意できない」というケースも少なくありません。
そのような場合には、以下の方法が検討できます。
① 延納(分割払い)
一定の条件を満たせば、最長5年に分けて納税することが可能です。
ただし、利子税がかかる点には注意が必要です。
② 事前に資金を準備しておく
一部を現金で贈与する、もしくは預貯金を残しておくことで、納税資金を確保する方法です。
③ 売却を前提に検討する
どうしても納税が難しい場合は、不動産の売却も視野に入れる必要があります。
不動産の贈与は、手続きだけでなく「納税資金の確保」まで含めて計画することが重要です。
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「とりあえず贈与」は危険?隠れたコストと落とし穴
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不動産の贈与は、「税金がかからなそうだから」「とりあえず名義を移しておこう」といった理由で進めてしまうケースも少なくありません。
しかし、贈与は単なる名義変更ではなく、将来の税負担や維持コストに大きく影響する重要な判断です。
贈与税が0円でも他の税金はかかる
基礎控除や特例を利用して贈与税がかからなかった場合でも、他の税金は発生します。
代表的なものは以下の通りです。
・登録免許税:不動産の名義変更(所有権移転登記)時に発生
・不動産取得税:不動産を取得した際に都道府県から課税
特に不動産取得税は、忘れた頃に通知が届くことが多く、「想定外の出費」となりやすいポイントです。
つまり、「贈与税が0円=完全にお金がかからない」わけではない点に注意が必要です。
安易に名義変更すると維持費が負担に
不動産の名義を変更すると、その後の維持費や管理責任も新しい所有者に移ります。
たとえば以下のような費用です。
・固定資産税・都市計画税
・修繕費や管理費(マンションの場合)
・空き家の場合の維持・管理コスト
特に、使う予定のない実家や地方の不動産を贈与した場合、収益を生まないのにコストだけかかる状況になることもあります。
「誰が管理し、どう活用するのか」まで含めて検討することが重要です。
取得費を引き継ぐため税負担が増える可能性
見落としがちなポイントとして、「取得費の引き継ぎ」があります。
不動産を贈与された場合、将来売却するときの取得費は、贈与した人(親など)の取得費を引き継ぐ仕組みになっています。
一見問題なさそうですが、次のようなケースでは注意が必要です。
・親がかなり昔に安く購入している
・取得費が不明、または非常に低い
この場合、売却時の利益(譲渡所得)が大きくなり、所得税・住民税の負担が増える可能性があります。
結局どう動くべき?贈与か売却かの賢い選択

「不動産のまま贈与」vs「親が売却して現金で贈与」どちらが得?
不動産の引き継ぎ方法としては、大きく2つの選択肢があります。
① 不動産のまま贈与する
→ そのまま名義を移す方法
② 親が売却して現金で贈与する
→ 売却後の現金を渡す方法
それぞれの特徴は以下の通りです。
不動産のまま贈与
・贈与税の対象になる(評価額ベース)
・将来の売却時に取得費を引き継ぐ
・維持費や管理負担が発生する
売却してから現金で贈与
・売却時に親に譲渡所得税がかかる
・その後の贈与は現金ベースでシンプル
・受け取る側の管理負担がない
一概にどちらが得とは言えませんが、
将来的に売却する予定があるなら「先に売却」した方がシンプルなケースが多いのが実務上の傾向です。
贈与後に「売却」するならタイミングに注意!税率が変わる所有期間
不動産を売却した際の税金(譲渡所得税)は、「所有期間」によって税率が大きく変わります。
・5年以下(短期譲渡):税率 約39%
・5年超(長期譲渡):税率 約20%
ここで重要なのは、贈与の場合は「元の所有者の取得時期を引き継ぐ」という点です。
つまり、親が長期間保有していた不動産であれば、贈与後すぐに売却しても「長期譲渡」として扱われるケースが多く、税率面では有利になる可能性があります。
ただし、売却のタイミングや状況によって税額は変わるため、事前にシミュレーションしておくことが重要です。
古い実家は「リノベーションして売却」という選択肢
築年数が古い不動産は、そのままでは価値が伝わりにくく、売却価格が下がってしまうケースも少なくありません。
そこで選択肢のひとつとなるのが、
リノベーションスタジオKULABOが運営する「KULABO不動産」です。
KULABO不動産は、現在マンションを中心に、リノベーション前提で暮らしまで提案する売却手法を強みとしています。
・リノベ前提で物件価値を再提案
・間取りやデザインプランとセットで販売
・購入後の暮らしまでイメージできる提案
これにより、一般的な中古売却とは異なる層にもアプローチでき、条件面の改善につながる可能性があります。
なお戸建てでも、「リノベーション視点で価値を見せる」という考え方は有効です。売却方法を工夫することで、不動産の評価は大きく変わります。
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まとめ
不動産の贈与税は、評価額の考え方や累進課税の仕組みによって税額が大きく変わるため、事前にしっかり理解しておくことが重要です。基礎控除や配偶者控除、相続時精算課税制度などを活用すれば、税負担を抑えることも可能ですが、それぞれに適用条件や注意点があります。
また、贈与税がかからない場合でも、登録免許税や不動産取得税、維持費などのコストが発生する点や、将来の売却時に税負担が増える可能性がある点にも注意が必要です。
さらに、「不動産のまま贈与する」のか「売却してから現金で贈与する」のかによって、税金や手間、将来の負担は大きく変わります。特に売却を視野に入れている場合は、所有期間や取得費の扱いなども含めて慎重に判断することが大切です。
不動産の贈与は一度行うと簡単には戻せません。だからこそ、目先の節税だけでなく、将来のライフプランや資産活用まで見据えたうえで、自分に合った方法を選ぶことが重要です。必要に応じて専門家に相談しながら、納得のいく判断を行いましょう。