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投稿日:2026年09月26日
最終更新日:2026年09月26日
夫婦で協力して夢のマイホームを手に入れる「ペアローン」。
しかし、万が一離婚することになった場合、このペアローンが大きな問題になることをご存知でしょうか。
「家のローンはどうなるの?」「どちらかが住み続けられる?」「売却するしかないの?」など、多くの方が不安を抱えています。
この記事では、離婚時にペアローンを抱える夫婦が直面する問題と、後悔しないための具体的な対処法を分かりやすく解説します。円満な解決と新しい生活への第一歩を踏み出すために、ぜひ最後までお読みください。
ペアローンは、夫婦それぞれの収入を合算して高額な住宅ローンを組めるメリットがありますが、離婚時にはその仕組みが複雑な問題を引き起こします。なぜペアローンが問題になるのか、まずは3つの基本的な理由から理解しましょう。
ペアローンとは、夫と妻がそれぞれ独立した住宅ローン契約を結び、お互いがそのローンの「連帯保証人」になる仕組みです。
つまり、夫婦それぞれが自身のローンに対する返済義務を負っていると同時に、相手のローンの返済についても責任を負っています。これは、離婚したからといって自動的になくなるものではありません。
| 契約形態 | 特徴 | 離婚時の責任 |
|---|---|---|
| ペアローン | 夫婦がそれぞれローン契約を結び、お互いが連帯保証人になる | 夫婦それぞれが自身のローンと相手のローンの両方に返済義務を負う |
| 収入合算(連帯債務型) | 夫婦の収入を合算し、1つのローンを契約。夫婦ともに債務者となる | 夫婦両方がローン全額に対して返済義務を負う |
| 収入合算(連帯保証型) | 主債務者は一人だが、もう一方が連帯保証人になる | 主債務者が返済できなくなった場合、連帯保証人が返済義務を負う |
このように、どの形態であっても、離婚後も金融機関に対する返済義務が残ることを認識しておく必要があります。
「離婚すれば他人になるのだから、ローンの関係も解消されるはず」と考えてしまうかもしれませんが、それは大きな誤解です。 夫婦関係の解消と、金融機関とのローン契約は全く別の問題です。
金融機関は、あくまで「契約者2人の返済能力」を信用してお金を貸しているため、夫婦が離婚したという個人的な事情で契約内容を簡単に変更することはありません。したがって、離婚後も契約通りに返済を続ける義務が双方に残ります。財産分与などで家の所有者をどちらか一方に定めても、その取り決めは夫婦間での効力しか持たず、金融機関への返済義務はなくならないのです。
離婚を機に「家は妻が住み続けるから、ローン名義もすべて妻に変えたい」と考える方は少なくありません。しかし、ペアローンの一方の名義を外し、単独名義に変更することは極めて困難です。
前述の通り、金融機関は夫婦2人の収入を前提に融資を決定しています。それを一人分の収入で返済していくとなると、返済能力が低下し、貸し倒れのリスクが高まるからです。そのため、金融機関が名義変更に応じることはほとんどなく、もし変更する場合は新規でローンを組み直す「借り換え」という手続きが必要になります。

離婚後も続くペアローンの返済義務。この問題を解決するためには、いくつかの選択肢があります。ここでは、代表的な4つの対処法について、それぞれのメリット・デメリットを解説します。
家を売却し、その売却代金でペアローンを完済する方法です。離婚後のローンや家の名義を整理できるため、夫婦間の金銭的な関係を解消しやすい方法といえます。
・ペアローンを完済できれば、離婚後の返済義務をなくせる
・家の名義やローンを整理できる
・売却益がローン残高を上回る「アンダーローン」の場合、残ったお金を財産分与できる
・売却してもローンを完済できない「オーバーローン」の場合、不足分を自己資金などで補う必要がある
・希望する価格やタイミングで売却できるとは限らない
子どもの転校を避けたいなどの理由で、夫婦のどちらかが家に住み続ける方法です。この場合、住み続ける側が、相手の分も含めてローン全額を返済していくことになります。
この方法を選ぶ場合は、ペアローンの契約上の返済義務についても確認しておく必要があります。夫婦間で「住み続ける側がローンを支払う」と合意していても、金融機関に対する返済義務が自動的になくなるわけではありません。将来のトラブルを避けるためにも、返済や名義についての合意内容は、公正証書などの書面に残しておくことが大切です。
・子どもの転校や引っ越しを避けられる
・住み慣れた家で生活を続けられる
・家を売却せずに済む
・住まない側のローン返済義務は、離婚しても原則としてなくならない
・住み続ける側が返済できなくなった場合、住んでいない側にも返済を求められる可能性がある
・将来的に金銭面でのトラブルにつながる可能性がある
家に住み続けたい側が、ペアローンを解消して、新たに単独名義の住宅ローンへ借り換える方法です。借り換えが認められれば、家とローンの名義を一人にまとめられます。
一方で、借り換えには審査のハードルがあります。単独で現在のローン残高を借り入れられるだけの返済能力が必要となるため、収入や借入状況によっては、借り換えが難しいケースもあります。
・家とローンの名義を一人にまとめられる
・住まない側はローンの返済義務から外れる
・ペアローンを解消できるため、離婚後の金銭的な関係を整理しやすい
・一人の収入だけで住宅ローンの審査に通る必要がある
・現在のローン残高や収入によっては、借り換えが難しい
・借り換えに伴う諸費用が発生する場合があるる
夫婦のどちらも住み続ける予定がないものの、すぐに売却したくない場合は、家を第三者に貸し出し、家賃収入をローン返済に充てる方法もあります。
なお、住宅ローンは本来、契約者本人が住むためのローンです。賃貸に出す場合は金融機関への報告や承諾が必要になることがあるため、事前に確認しておきましょう。
・家を売却せずに所有し続けられる
・家賃収入をローン返済に充てられる
・将来的に自分たちが住むなど、選択肢を残せる
・空室になると家賃収入を得られない
・入居者募集や修繕などの管理が必要になる
・住宅ローンを利用したまま賃貸に出せるとは限らない
ペアローン問題の対処法は、家の資産価値や夫婦の希望によって変わってきます。ここでは、状況別に最適な選択肢を考えてみましょう。
家の売却価格がローン残高を上回る「アンダーローン」の状態であれば、売却が最もおすすめです。 売却してローンを完済すれば、夫婦間の金銭的なつながりを断ち切ることができます。残ったお金は財産として分け合うことができ、新たな生活の資金にもできます。
家の売却価格がローン残高を下回る「オーバーローン」の場合、売却してもローンが残ってしまいます。 この場合、自己資金で不足分を補って売却するか、どちらかが住み続けて返済を続けるかを選択することになります。自己資金の用意が難しい場合は、金融機関の合意を得て売却する「任意売却」という手段もあります。
子どもの学区を変えたくないなどの事情で、どちらかが住み続けたいと希望する場合は、まず「借り換え」が可能かどうかを金融機関に相談してみましょう。 借り換えが難しい場合は、住み続ける側が返済を全額負担することを条件に、住まない側が連帯保証人を続ける形になります。この際は、将来のトラブル防止のために必ず公正証書を作成してください。
夫婦のどちらも家に住むことを希望しないのであれば、売却が第一の選択肢となります。アンダーローンであれば売却して清算し、オーバーローンの場合は自己資金を補って売却するか、任意売却を検討しましょう。
ペアローン住宅を売却すると決めた場合、どのような流れで進めるのでしょうか。夫婦間のトラブルを避けるための注意点もあわせて解説します。
【流れ】
1. 不動産会社に家の価値を査定してもらう
2. 夫婦間で売却の合意を形成する
3. 売却活動を開始し、買主を見つける
4. オーバーローンの場合は任意売却も検討する
まずは、複数の不動産会社に査定を依頼し、家がいくらで売れそうか(査定額)を把握します。これにより、アンダーローンなのかオーバーローンなのかが分かり、具体的な計画を立てることができます。
ペアローン住宅は夫婦の共有財産であるため、売却するには双方の同意が不可欠です。売却価格、売却で得た利益の分配方法、オーバーローンの場合の不足分の負担割合などを具体的に話し合い、合意書を作成しておくと安心です。
不動産会社と媒介契約を結び、売却活動を開始します。内覧の対応などで夫婦の協力が必要になる場面もあるため、円滑に進めるためにも良好なコミュニケーションを心がけましょう。
自己資金を投入してもローンを完済できない場合は、「任意売却」という方法があります。これは、金融機関の許可を得て、ローンが残ることを承知で家を売却する方法です。競売よりも高い価格で売れる可能性があり、残った債務の返済方法についても柔軟に相談できます。
売却ではなく、どちらかが住み続ける選択をした場合、特に注意すべき点が3つあります。将来の大きなトラブルに発展させないために、必ず押さえておきましょう。
繰り返しになりますが、離婚して家に住まなくなったとしても、ローン契約者である限り返済義務は続きます。もし実際に住んでいる元配偶者の返済が滞った場合、金融機関はあなたに返済を請求してきます。このリスクを十分に理解した上で、住み続けるという選択をする必要があります。
住み続ける側がローンを一本化する「借り換え」は、単独の収入で審査を通過する必要があるため、非常にハードルが高いのが現実です。年収や勤続年数、他の借入状況などが厳しく審査されるため、誰でも利用できるわけではないことを念頭に置きましょう。
どちらかが住み続ける場合、「住宅ローンの支払いは住む方が全額負担する」「名義変更が完了するまで住まない方は協力する」「固定資産税の支払いについて」など、夫婦間で取り決めた内容は、必ず公正証書として書面に残してください。 口約束だけでは、後になって「言った」「言わない」の水掛け論になりかねません。公正証書を作成しておくことで、約束が守られなかった場合に法的な強制力を持たせることができます。
ここでは、離婚時のペアローンについてよくある質問にお答えします。
ペアローン住宅は夫婦の共有名義となっているため、売却には必ず名義人全員の同意と実印、印鑑証明書などが必要です。どちらか一方が勝手に売却手続きを進めることは不可能です。
返済が滞ると、まず金融機関から督促状が届きます。それでも返済されない状態が続くと、「期限の利益の喪失」となり、ローン残高の一括返済を求められます。それにも応じられない場合、金融機関は担保である家を差し押さえ、競売にかけて債権を回収します。競売は市場価格より大幅に安い価格で売却されることが多く、多くの債務が残る可能性が高まります。
ペアローンの問題は、法律(離婚、財産分与)と不動産、金融が複雑に絡み合います。弁護士や司法書士、不動産会社など、それぞれの専門家に早めに相談することで、取りうる選択肢が増え、より有利な条件で解決できる可能性が高まります。
ペアローンを組んだ夫婦の離婚は、通常の離婚に比べて財産分与が非常に複雑になり、感情的な対立も生まれやすくなります。当事者同士での話し合いだけでは、法的なリスクや不動産価値を見誤り、後で大きなトラブルに発展するケースも少なくありません。
最善の解決策を見つけるためには、離婚問題を扱う弁護士や、不動産売却に詳しい不動産会社など、専門家の知見を借りることが不可欠です。少しでも不安を感じたら、まずは専門家への相談から始めてみましょう。冷静な第三者の視点を入れることで、円満な解決への道筋が見えてくるはずです。
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